シューズには必ず中心があります。
しかし、ほとんどのアスリートが、それを意識しないで履いています。
センターのズレは、パフォーマンスの低下を招くだけでなく、
さまざまな怪我や故障を発生させています。
例えるなら、タイヤが真っ直ぐに装着されていない車のようなものです。
「床の線の上に、シューズの中心を合わせて置いてみて下さい」
そう言うと、ほとんどの人がAのように置きます。
Aのシューズを正面からみると次のようになります。
床の線と、靴底(アウトソール)の中心がズレているのが解るでしょうか??
真上から見たシューズのセンターと、靴底から見たシューズのセンターは少しズレています。
自転車のシューズだと解りやすいですね。
真上から見たシューズのセンターと、靴底から見たシューズのセンターは少しズレています。
床の線に、靴底から見たセンターを合わせてみるとBのようになります。
シューズを履く方向がAだと思っている人がほとんどですが、正解はBです。
足の裏の形は、ブーメランのように少し曲がっていますから、シューズの形も、それにあわせて少し曲げて作ってあります。
ナイキとアシックスの、どちらも同じ26cmのランニングシューズのインソールです。
※写真左がナイキ、右がアシックス
競技用のシューズは、本来 足が地面に接地している面積だけあれば事が足ります。
シューズの形は、足の裏の形にあわせて、少し曲げて作られています。
シューズに小指があたるのは、足の幅が広いのではなく、
シューズに足を入れる方向が間違えていることがほとんどです。
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Aの方向で足をいれると、シューズの幅は狭くなります。
Bの方向で足をいれると、シューズの幅は広くなります。
足首関節の運動軸は人差し指と踵の中心を結んだ線にあります。
シューズの中心と足の中心を一致させて履くのが基本です。
シューズの中の靴底は平らではありません。
内側(土踏まず側)が高く作ってあったり、外側が低くなるように設計されています。
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サッカースパイクでは踵(かかと)の痛みや有痛性外頸骨の痛みを誘発しやすくなります。
野球のスパイクでは半月板損傷や、内側側副靭帯損傷などを引き起こします。
捻挫をしやすくなるのは、どのスポーツも共通です。
セット位置がズレる一番の原因は、シューズを新しく買った時に揉み出しをせず、そのまま履くからです。
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