原因は「筋力不足」と言う人たちがいますが、私はそうは思っていません。
その理由は、オリンピック選手のように、筋肉量が多い人にもニー・イン、トゥ・アウトは起こりますし、筋トレをしなくても治るからです。
単純に、膝関節のアライメントが悪い場合もありますし、
ニーイン・トウーアウトを起こす反対側の足に問題があるためのカウンター・ムーブメントから発生していることもあります。肩甲骨や背骨の動きが悪いために発生する下降性の運動連鎖でも発生しますし、足首の倒れ込み、シューズの倒れ込みによる上向性の運動連鎖でも発生します。
スポーツで言う、ニーイン・トゥアウトとは、意味合いが異なります。
プロの競輪選手や、オリンピック選手でも、ニーイン・トゥアウトはよく見られます。私には、筋力不足とは思えないのです。
膝が中に入る(ニー・イン)の状態は、前十字・後十字靭帯や、内側側副靭帯にストレスを与えるだけでなく、
肉離れなどの痛みの原因になります。
膝が中に入って着底したときの膝関節の状態を模型で説明します。
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ニーイン・トゥーアウトを大きく分けると1と2があります。
1)静止しているときにニーイン・トゥーアウトが起きているもの(ミクリッツ線の乱れ)
2)静止しているときは問題がないが、走るとニーイン・トゥーアウトが発生するもの
ミクリッツ線の乱れがあれば修正する必要があります。
ミクリッツ線とは人口膝関節手術などをにおいて、正確に骨を切るために用いる重要なラインです。レントゲン上で大腿骨頭の骨頭中心から足関節の距骨滑車を結んだ線を言います。この線の事をミクリッツ線といいます。
※ミクリックライン(Mikulick line)ということもあります。
ミクリックラインが一直線になっていることは、いちばん関節に負担が無く、素早く、力づよく、効率のよい動きが行えます。
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全ての関節には“運動軸”があります。軸に正しく動けば、何万回動かしても壊れません。軸が悪ければ、5分動かしただけでも壊れるものは壊れます。