ヒールストライク走法/ひーるすとらいくそうほう

 

(悪い走り方ではありません。)

 


名前どおり「ヒール(heel)=踵(かかと)」から接地する走法です。

 

「長い距離を走ると、どうしても踵(かかと)を着いてしまう」、そんな相談を受けることがありますが、世界陸上に出ようなマラソン選手でも、踵から着く選手は多くいます。

ヒールコンタクト
プロ選手の走り


 ペリー博士の著書 「歩行分析」 では、こうあります。

 
時速19kmを超えて走るランナーは、たいてい足のフロントから接地し、
そのランナーは時速12.5km/h ~15.4km/hで走る時も、フロント接地を選択する傾向にある。
 
もっと簡単に書くと、
キロ3分前半で走れるようになると、キロ4~5分で走る時も
勝手にフロント接地になってしまう傾向にある。

  • 「踵から接地すると怪我をする」
  • 「踵から着くとブレーキになる」

 

そんな言葉を聞いたことがありませんか? 

 

 

 

人の踵は着いても良いようにできています。

 

走るときに、足を踵から地面に着けることで、テコの原理が発生し、効率よく、楽に体を前に進める事ができます。

 

ヒールストライク走法は、踵を軸に転がすように、接地するときに発生する衝撃を、前に進む力に変換する効率の良い走り方です。

 

〈関連記事〉ヒールロッカー

 

ランニング踵の着き方

・接地後に地面からの反発力を利用して、前への推進力を得られます。 

・シューズの性能に頼って走れます。

・身体への負担が少ない走法です




シューズの形状に、トゥ(つま先の向き)が影響されやすい。

地面にシューズの踵が着いた場所を中心にして回転軸が発生するため、シューズのヒールの形によっては、シューズ(足首)が内側に倒れ込むことがあります。

 

足首が内側に倒れ込むと、膝の痛み、スネの痛み、足底腱膜炎を発生させます。


 

 3つのロッカー(ヒールロッカー、アンクルロッカー、フォアフットロッカー)の中で、ヒールロッカーのみ関節でないところに回転軸が存在します。

 

ヒールロッカーは踵の形状を使って回転しています。

関節運動ではないため、筋力を使って、速さや軌道の制御ができません。

 

シューズを履いて走る場合、シューズのヒール部分の形がヒールロッカー機能に大きな影響を与えてしまいます。

 

 

自分の意思ではない転がり方となりうる回転運動が起こることは、ある意味リスクが高い制御と言えます。


新しいシューズは慣らしてから使いましょう。

 

ヒールコンタクトを行うと、シューズの形状に走り(つま先の向き)が左右されてしまい、怪我につながることがあります。新しいシューズを買った時は、練習の終わりに少し使うなどを繰り返し、慣らしてから使いましょう。

 

 



その他の接地

〈参考記事〉フォアフット走法について

〈参考記事〉ミッドフット走法について