本来、踵の骨の形は、歩行や走行のときの衝撃を逃がすだけでなく、
体重による衝撃を前に進む力に変換できる形をしています。
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重力により落下する身体重心の力を、前方への勢いに変換する重要な役目を担っているのが、ヒールロッカーです。
人の足の踵の構造は、 Tの字を逆さにしたような形になっています。
逆Tの字の構造を利用して、
テコの原理で前足部が床に落ちます。これをヒールロッカーといいます。
歩く時、走る時に足の骨にかかる衝撃を、前に進む力に変換しています。
ヒールロッカーには、いくつものメリットがあります。しかし、デメリットもあります。
3つのロッカー(ヒールロッカー、アンクルロッカー、フォアフットロッカー)の中で、ヒールロッカーのみ関節でないところに回転軸が存在します。
ヒールロッカーは踵の形状を使って回転しています。関節運動ではないため、筋力を使って、速さや軌道の制御ができません。
シューズを履いて走る場合、シューズのヒール部分の形がヒールロッカー機能に大きな影響を与えてしまいます。
自分の意思ではない転がり方となりうる回転運動が起こることは、ある意味リスクが高い制御と言えます。