鵞足炎/がそくえん

概要:鵞足炎とは

 

●膝の内側に出る腱の痛みです。

膝の内側には、半膜半腱様筋、薄筋、半腱様筋という3つの腱が通っています。この形が鵞鳥(ガチョウ)の足の形に似ている事から鵞足炎と呼ばれています。

 

この症状と勘違いされやすいのが、内側側副靭帯炎や、半月板の損傷です。

 

歩行やランニングにおいて、空中に浮いたほうの足が、前後のスイングだけでなく、膝下で捻じれるような動きが出ると筋肉や腱を牽引するストレスが発生しやすくなります。練習環境で言うと、陸上競技用のトラックを走ると起こりやすい傾向にあります。

 

 


原因

遊脚期におきる脚の捻じれ

一般的に使いすぎにより筋肉が硬くなって起きる痛みと言われていますが、私はそれだけとは思いません。骨格のアライメントの悪さや、痛みのある脚の反対の脚の動きが影響していると思っています。


どんな痛み?(症状)

 

「痛いケド、ジョッグはできる」

 そのようなケースが多いようです。

 

炎症が軽度であれば膝の内側の圧痛と運動時痛だけのことが多いのですが、炎症が高度になると腫れや熱感を伴います。

 

足が着けないような痛みがある場合は内即側副靭帯損傷や、半月板損傷が疑われます。

顔を洗うくらいの強さで触っても痛むようでしたら、なるべく膝を動かさず(固定)、病院を受診しすることをお勧めします。

 

 

 

 

 


検査診断

レントゲン検査・MRI検査で骨や靭帯、半月板などに損傷がないか検査します。


治療


痛い所の腱が伸ばされると痛みが増強するので、急性期はサポーターやテーピングなどで可動制限を行うことも有効ですが、根本解決に至ることは少なく、なぜ?その痛みが起きているか、異常がある動きの原因を探り、解決していく事が必要です。

●膝関節のアライメントの不良がある場合は、アライメントの修正が必要になります。

 

 

膝関節のアライメント不良は、先天性のものと後天性のものがあります。整復ができるものは正しく整復したほうが良いでしょう。


反対側の脚を治す必要性

 

歩行やランニングで、立脚期(片足で体を支えるタイミング)で、支持足(支える側の足)の動きに問題があると、

骨盤の動きが正常に行えず体が傾いたり、体幹が捻れた状態が発生します。その動きに体が瞬時に反応し、カウンター・ムーブメントが発生、遊脚側の脚が正常な動きが行えず、膝を捻ってしまいます。

ですから、鵞足炎の痛みを治療する時は、痛みがある側の足だけに留まらず、全身の体の動きを見て正常に戻す必要があるのです。