症例002│ランニングソックス着用による足底接地形状の変化


症例│002│フットプリント比較


― 靴下着用による足底接地形状の変化 ―

1. 検査概要


被験者は40代女性、健常な足部構造を有する一般ランナー。
本症例では、素足一般的なランニングソックスを着用した状態における
足底接地の違いを比較するため、フットプリントを取得した。

 

 

2. 観察方法


静止立位姿勢で両足を自然に開き、
フットプリント測定装置を用いて足底接地形状を記録した。


各試行は同一環境下・同一被験者で連続して実施し、
重心の偏位が最小となる静止状態を採用した。

 

3. 観察結果


素足の状態では、
足底の内側縦アーチ部に明瞭な空間(非接地領域)が認められ、
健常なアーチ構造を保持していることが確認できた。

 

 

一方で、一般的なランニングソックスを着用した場合、
舟状骨付近に膨らみが出現し、内側縦アーチの低下が観察された。

 

 

さらに、足趾部では、第1趾と第2・第3趾の間隔が明らかに狭くなり、
足趾の展開(外転)動作が制限されていることが確認された。

 

母趾球(第1中足骨頭)から小趾球にかけての横方向の距離については、
画像を重ね合わせた結果、明確な変位とは言い切れないものの、

 

靴下着用時の親指先端の接地プリントと、
足周囲の輪郭線との間に空白が拡大している
ことが観察された。

 

 

 

さらに、母趾球の内側縁においても、
素足時と比較して床面からの離開が拡大していることが確認され、
これは足部が内側にロールする方向への変位(過回内傾向)を示唆している。

 

 

4. 考察


これらの変化は、靴下生地の張力・縫製構造による
足趾外転筋群の活動制限足部外側アーチ形成の阻害に起因する可能性がある。
結果として、内側縦アーチの支持構造が一時的に弱まり、
舟状骨がわずかに内下方へ変位したものと推察される。

 

 

この現象は、
立位時の荷重伝達経路が内側へ移動し、
膝関節および股関節の内旋運動に影響する初期段階の変化として注目される。

 

 

 

5. 結論


本症例では、素足と比較して靴下着用時に
舟状骨の膨張・アーチ低下・趾間狭小が明確に確認された。
これは、靴下の構造的要因が足部の機能的配列に直接的な影響を与える
ことを示唆するものである。

 

 

 

試験日 20241/22

 

 

 

 

 

※本研究は個人差を含み、効果を保証するものではありません。
※本資料はまぼろし工房研究室による観察結果を基に作成しています。

 

 

 

 

関連症例

 

  • 症例001│総合報告│素足と一般的な靴下によるアーチ変位の全体像

  • 症例003│ペドゲージ観察│舟状骨倒れ込みの可視化

  • 症例004│姿勢計測│前傾姿勢の出現とアーチ低下の関係