膝を痛めているランナーさんから、
「どのシューズが自分にあっているか?見て欲しい」そんなご依頼を受けました。

今回持ち込まれたのはGT2000とウェーブライダー21。
クッション性の良い、代表的なジョギング・シューズです。
使用したのは2ヶ月程度の状態の良いものでした。
〈関連記事〉シューズの違いによる歩幅の違い

私見ですが、ランニングで膝の痛みを出す原因は、膝の筋肉の硬さよりも、
衝撃と捻じれ の方が多い気がします。
シューズを履き比べてフォームの変化を観察してみます。

※成り行き上、今からGT2000のことをボロクソに書きますが、同じGTを履いても、その人の走り方、体調、速度によって、シューズは全く違う動きをします。 “GTが悪いシューズ” とか、そういう趣旨ではないので誤解無きようお願いします。
●右足のイニシャルコンタクトです。

拡大してみます。

黒いシューズは、シューズのトレッド面が、地面に対して綺麗に侵入していません。

〈参考記事〉かかとの正しい着き方
イニシャルコンタクト(接地する瞬間)の異常は、反対側の足の動きに影響されます。
反対側の足の立脚期に体が傾ぐ異常がでると、
傾いた体を立て直すためのカウンタームーブメントによって発生します。
ボトムディスセンターです。(一番体重がかかるタイミング)

まず、左脚を捻りました。
膝が正面を向いているのに、つま先が外を向くと、足首は捻じられます。


膝の高さが左右で違います。これもタイムや、体力を失うだけでなく、膝やアキレス腱を壊す原因になります。
シューズの違いでこれだけフォームは変化します。
クッション性の良いシューズでも捻じれを防ぐことができません。
クッション性の問題だけではないようです。

プッシュのタイミングで、つま先が外を向いていると、膝は捻られます。
力強いプッシュでは、力強く捻られます。
その時、グリップ力が強いシューズでは、さらに力強く捻られるので注意が必要です。

一人のランナーが、シューズを履きかえただけで、これだけ違いが出ます。

インソールについては、話が長くなるので割愛します。
シューズの形状で、フォームが変化するのですから、社外のインソールを入れるともっと変化します。
一つ言えることは、シューズを履いて片足で立って、
真っ直ぐに立てないシューズは要注意です。
ランニングニーの痛みについて、シューズの事だけでもこれだけ書けます。
他にも、登り、下り、カーブの曲がり方、トラックで言えば砂の種類、深さ、カーブのR・・・
膝の痛みの原因は、筋肉の硬さだけが原因ではありません。
膝を痛めて、接骨院に行ったことがある方、その時どんな説明で、どんな治療をうけましたでしょうか??
その治療で治らなかったとしても、どうか、まだ・・・走ることを諦めないでくださいよ。