多くのランナーが見落としがちな交換時期
ランニングシューズの寿命
ランニングシューズの寿命は、多くのランナーがアウトソールの減り具合で判断しがちです。しかし、アウトソールが明らかに劣化している場合、ミッドソールの衝撃吸収機能はすでに大きく低下している可能性があります。
寿命の目安
ジョギングシューズ(片足250g~350g程度)
通常、800km~1000kmが寿命の目安です。
ただし、毎日使用する場合、寿命は560km~800kmに短縮します。
使用頻度と回復時間
シューズのミッドソールは、使用後に潰れた状態から元の厚みに戻るのに24~48時間かかるとされています。連日使用すると回復が追いつかず、ミッドソールの劣化が加速します。
ミッドソールの役割と影響
1衝撃吸収と柔軟性
ミッドソールは、ランニング時の衝撃を緩和し、足への負担を軽減します。
2足首のブレ防止
足首の安定を保つことで、膝や他の関節への負担を軽減します。
劣化したシューズでは足首がぐらつき、膝関節や靭帯、半月板を痛めるリスクが高まります。
3推進力の効率化
前に進む力を逃がさず、効率的なランニングフォームをサポートします。
劣化が進むと、この推進力が失われ、フォームの崩れや疲労の原因となります。
実例と注意点
使用限界を超えたシューズ
素足での走行と比較すると、劣化したシューズでは足元が大きく不安定になり、故障のリスクが増します。
踵(かかと)の痛みの原因
レースシューズの例では、アウトソールが1mm未満しか削れていなくても、ミッドソールが寿命を迎え、踵部分が薄くなっていました。これが踵の痛みの直接的な原因でした。
シャンクの突き上げ問題
ミッドソールの劣化により、シューズ内部のウェーブプレートやフットブリッジが足裏を突き上げるケースも報告されています。この状態では、足底腱膜炎などの症状を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
〈関連記事〉ミッドソールと足底筋膜炎の関係
交換時期を見極めるポイント
- アウトソールだけでなく、ミッドソールの状態を確認する。
- 連日使用を避け、シューズの回復時間を考慮する。
- 定期的にシューズを交換することで、故障や痛みのリスクを軽減。
まとめ
ミッドソールの劣化は見た目で判断しにくい部分ですが、ランニング時のパフォーマンスや安全性に大きな影響を与えます。適切なタイミングでの交換と、シューズの正しい使い方を心がけることで、快適で安全なランニングを楽しみましょう。
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