シンスプリントとは何か?──「仕組み」から考える足の痛み
後脛骨筋炎や、
疲労骨折、骨膜炎なども含め、
脛骨の内側に痛みが出るときの総称です。
医学的にはやや曖昧な表現ですが、
便宜上ここでは──
**“シンスプリント”**と呼ばせていただきます。

内スネが痛くなる理由
走っているとき、
体が3.5度以上外側に傾くと、
後脛骨筋には過度な負担がかかります。
足首は傾くとき、斜め前への倒れとねじれを同時に起こし、
そのぶん、スネの内側に負担が集中するからです。
内スネの痛みが治りにくい理由
──なぜ炎症が起きるのか?
その「仕組み」を知らないまま、
治療と療養をくり返しても、
痛みと“追いかけっこ”になることが多い、
それが、
内スネの痛みが治りにくい原因です。
気づかぬうちに進行する怖さ
後脛骨筋炎の特徴は──
すぐには痛みが出ないことです。
同じ動作を、毎日くり返すことで、
気づかぬうちに少しずつ悪化していきます。
そして、気づいた頃には…
もう、痛みとして現れる段階になっている。
まるで虫歯のように、
本人が気づかないうちに進行し、
痛みが出たときには、
すでに状態がかなり悪くなっていることが多いのです。
シンスプリントがくり返しやすい理由
つまり──
たとえ一度、痛みが治まっても、
原因が残っていれば、また繰り返します。
症状が消えた=治った、ではありません。
“痛みの根”を断たなければ、再発は時間の問題です。
内スネに負担がかかる仕組み
人の足首の構造上、
体が横に傾くときには、
同時に前方への傾きも伴います。
つまり──
体は「横」ではなく、“斜め前”に倒れ込むのです。
そして──
**「これ以上傾くと転ぶよ」**
そんなギリギリのところで、
体にブレーキをかけてくれるのが、
後脛骨筋の役割です。
本質を捉えていない情報が目立ちます。
他のサイトでは、
こんな説明が表示されることがあります:
『後脛骨筋炎は、ランニングやジャンプ、長時間の立ち仕事など、
後脛骨筋に過度な負担がかかることで起こる炎症です。
扁平足や足関節の柔軟性・プロネーションや、筋力不足も原因となることがあります。』
──一見、正しそうですが、
このような説明では**「なぜそうなるのか?」の本質**までは語られていません。
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シンスプリントの痛みを早く治したいなら
マッサージやストレッチ、筋トレは、走るときの体のグラつきを抑えることを“目的にすることが大切です”。
私たちは、グラつきを抑えるための靴下を作りました。


危険なものが多いと思います。その根拠を説明します。
あなたは筋トレ派?それとも工夫派?
横への傾きを防ぐ方法は、世の中に山ほどあります。
腹筋を締める、腕でバランスを取る、顎を引く、反対の足を振り上げる──
間違ってはいません。
でも、「仕組み」が整わなければ、努力は崩れます。
だからまず、工夫で整える。
その先に、努力が活きる。
足の小指の役割をご存じですか?
足の小指の役割は、たったの5つ──
-
バランスをとる
-
体重を分散する
-
推進力を生む
-
アーチを守る
小指の仕組み
内側に曲がっていた小指に、
軽くテープを貼って、ほんの少し外側に引っ張ってみました。


まずは、この写真のエクササイズを試してください。
小指を動かす感覚を取り戻すこと。
それが、足元からバランスを整える第一歩です。

もし、ラクちんソックスをお持ちの方は、
ぜひ履いた状態で「しゃがむ」「背伸びをする」動作をしてみてください。
この靴下は、履くだけで小指が自然に開く構造になっています。
無意識のうちに、支える力が目覚めていきます。
そのまま小指側から接地すると、
足は内側に大きく倒れ込む動きになります。
これが繰り返されることで、スネの内側に過度な負担がかかり、
やがて痛みへとつながります。
対症療法の限界
痛む場所をマッサージしたり、鍼を貼ったりすれば、
「その場」はラクになることを知っています。
しかし──
それは「症状」への対応であって、「原因」への対応ではありません。
風邪に例えるなら、
ウイルスが原因であれば、咳止めや解熱剤は症状を和らげますが、根本的な解決にはなりません。
シンスプリントも同じです。
痛みが引いても、原因が残っていれば、
再び繰り返す。あるいは、疲労骨折や膝の故障に発展することもある。
それは、本当に悲しいことです。
必要なのは「別の視点」
足だけでなく、反対の足の動きや、
シューズの状態まで見直してみる。
そうした「視点の転換」こそが必要です。
しかし現実には、
医療保険の枠組みの中で、そこまで掘り下げることは難しい。
時間も資源も限られているのが、医療の現場です。
関連記事 足首の倒れ込み
二つの要素で足のアーチは倒れ込みます。
前への傾きと、横への傾き、この二つの要素で足のアーチは倒れ込みます。
アーチが倒れ込むのは悪いことではなく、人が傾いたときに転んでしまわないための、人本来がもつ姿勢維持機能です。しかし、アーチが倒れ込むと、シンスプリントの痛みは誘発します。
ジャンプ競技でも同じです。
前に傾く動きが大きくなると、シンスプリントは発生します。
危険なものが多いと思います。その根拠を説明します。
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