ランニング:足の裏の痛みでお悩みのランナーさんが来院しました。

使用していたジョギングシューズです。
MIZUNO ウェーブライダーの
こんな壊れ方を初めて見ました。
足底筋膜炎だけではないのですが、
ランニングによる様々な痛みの原因は、主に3種類あります。
①筋肉が引き伸ばされて壊されるもの
②筋肉が捻られて壊れるもの
③衝撃によって潰されるもの
どれも同じ足の裏の痛みなのですが、それぞれ対処法が変わってきます。
●足底筋膜炎が治りにくい原因
痛みの原因を判別することを放棄し、簡単に拾い集められる情報の中から、
自分にとって簡単に行える方法を選別する場合が多いことにあると思います。
たまたま、とった方法が最善の方法だった時はよいのですが、原因の究明をせずに、
やれることだけをやっていたら何もしていないのと変わらない時があります。
フォームやシューズ、練習内容も含めて原因を探すことが必要です。

土踏まずの下、シューズのシャンク部分に底着きした痕がありました。

2000年頃のターサーは、これで足の裏を痛めることがよくありました。

初期のアディゼロや、NIKE+なんかにあった靴底のおもちゃ箱が、
足の裏を突き上げるために起きた足の裏の痛みもよくありました。
しかし、こんなに摩耗していない状態のウェーブライダーが、底着きしているのを見るのは初めてです。

ミッドソールが、異常に柔らかくなっていました。通常のウェーブライダーの硬さではありません。


アウトソールはほとんど削れてなく、買って3ヶ月弱。
走行距離は、多くて一日に30km走ることもあるけど、
毎日そんなに走っている訳でもなく・・・そんな感じです。
●ミッドソールのお話
ほとんどのランナーは、シューズを交換するかどうかを見極めるために、アウトソールを観察します。
残念ながら、アウトソールが明らかに解るほど履き古したとき、ミッドソールの緩衝機能は明らかに低下します。

このシューズはアウトソールの
一番よく削れる所が1mmしか削れていないけど、
ミッドソールが寿命を迎えていました。

30分のランニング中に、左右の足は2700回着地し、その足にランナーの体重の1.5倍以上の外力を支えます。

この小さい骨々や、それをつなぐ靱帯群が、
よく壊れないと感心します。
シューズが変わった壊れ方をしていた場合、変わった走り方をしている場合がほとんどです。
後ろ足のつま先が、地面から離れる瞬間のフォームです。
治療前の走りでは、前足の膝と後ろ足の膝の高さが随分違いました。

高く飛び上がって、ドスンと落ちる、そんな感じで走っていました。
横から見て、左右の膝が重なる瞬間です。片足に一番体重が乗るときです。