ランニングニー(腸脛靱帯炎)
愛知県 名古屋市からご来院いただきました。トレールランニング:主訴は右の腸脛靭帯~足首の痛みです。
トレールランニングは日本でも競技人口は増えてきたものの、まだまだマイナーな競技です。
その為、シューズの歴史も種類も少なく開発・発展途上にある感があります。
失礼なモノ言いをして申し訳ないのですが、ランニングシューズに比べると、作り込みが甘いように思えます。
シューズの裏の削れ方を観ると、あまり見慣れないセンター付近にスリップ跡があります。
スリップ跡のヒゲ(擦れた線)の長さを観ると、ずいぶん引きずっているようにも見えます。
ランナーズ・ニー(腸脛靭帯炎)とは
いわゆるランナーズニーは、腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)と言って腸脛靭帯に炎症が起こる症状です。膝の曲げ伸ばしを繰り返すことによって、腸脛靭帯が大腿骨と擦れあう為に炎症が起こります。

どんな症状?
はじめのうちはランニング後に痛みを感じ、休むとおさまります。痛みは徐々に大きくなり、休んだだけは治らなくなります。さらに重症化すると、膝関節の曲げ伸ばしが困難となり、膝関節を伸ばしたまま歩行するようになります。
腸脛靭帯炎の原因と治療法
腸脛靭帯炎の原因は、ランニング時の下肢アライメントや、ランニングフォーム、大腿の筋肉の柔軟性の低下です。したがって、下肢のアライメントを修正したり、ランニングフォームの見直し・修正をしたり、筋肉の柔軟性を獲得することが治療法となります。
〈関連記事〉アライメントとは

片足立ちでひざを曲げる検査の治療前と後を比較してみます。
この検査で安定して7秒間静止できないようでしたら、練習は中止し、リハビリメニューに尽力したほうが正しいと思います。

アライメントの悪さは腸脛靭帯炎を引き起こすというなら、狂ったアライメントを正常に戻す必要があります。
シューズが起因したランナーズニー

また、腸脛靭帯炎だけに限らず、ランニング疾患すべてにおいて言える事ですが、シューズを履くと、アライメントが大きく変わるシューズがあります。
シューズを履いた状態が、ランナーの足です。
素足の状態とシューズを着用した状態で、これほどアライメントが変わる事があることを、もっと多くの人に知って欲しいと思うのです。
●シューズ着用によるアライメントの変化


また、シューズの個体差でアライメントの変化があることをあまり知られていません。今回持ち込まれた二足のシューズでアライメントの変化を確認してみました。
●シューズの個体差によるアライメントの変化
シューズを装着した状態がランナーの体です。近年、シューズの3D化が目覚ましく、医療機関は、古い常識にとらわれず、シューズまで診る必要を感じます。


足の痛みの原因は、動いている状態を見ないと解らない事がたくさんあります。
体のバランスや動きを確認しながら、痛みを引き起こしている原因を探し出し、 必要なストレッチや、あなただけのリハビリテーションを提案いたします。メンテナンス次第で体が変わることを実感してください。