フォアフットロッカー│滞空時間を長くする

🦶 フォアフットロッカー(トゥーロッカー)とは?


 

体の重心が中足骨(足の甲の骨)に乗ると、踵が上がり始め、拇指球付近を基軸として体を加速し、体を前に進めます。これをフォアフットロッカーといいます。

 

 

フォアフットロッカー

 

足が地面から離れる最後の瞬間──
つま先で地面を蹴り出す動作(=トゥオフ)のときに、
足の前足部(フォアフット)スムーズに前方へ転がるように働く構造のことです。


✅ もっと具体的に言うと…

人の足やシューズには、いくつかの「ロッカー機構(rocker mechanism)」があります。
その中でもフォアフットロッカーは、

  • 母趾(親指)を中心にして地面を押す

  • 前足部が硬すぎず、適度にしなる構造

  • 靴底の前方がカーブしている設計(つま先が少し反っている)

こういった要素によって、効率よく前に進む推進力を生み出す役割があります。


🧠 なぜ重要?

フォアフットロッカーがうまく機能しないと──

  • 蹴り出しで力が逃げる

  • ふくらはぎや足の指に余計な負担がかかる

  • 足底筋膜炎やアキレス腱炎のリスクが増える

などの問題が起こります。


🧦 靴下や靴との関係

 

シューズや靴下の設計が悪いと、このフォアフットロッカーが阻害されてしまうことがあります。

フォアフットロッカー

逆に、適切な靴下やシューズ設計によって、フォアフットロッカーをサポートすることも可能です。

フォアフットロッカー

もっと専門的に


※フォアフットロッカー(前足部ロッカー)

フォアフットロッカーとは、歩行時の回転軸が前方(MP関節:中足趾節関節)に移動するフェーズを指します。
この移動が起こる理由は、滞空時間を長く確保し、歩幅を稼ぐためです。
反対側の足が振り出されるまでの時間を確保し、スムーズな移動を可能にするのです。


重心移動と股関節・足関節の連動

股関節を伸展させながら滞空時間を稼ぐには、足関節の底屈(つま先で地面を押す動き)が必要です。
この底屈によって重心は上方へと移動し、次の踵接地に余裕を持たせることができます。
つまり、遊脚側の足が踵から接地するまでの時間が十分に確保され、衝撃をしっかり吸収できる体勢が整うのです。


腓腹筋の重要性

このフェーズでは、足底屈筋群、特に腓腹筋の働きが非常に重要です。
腓腹筋は、歩行周期の中で最大の筋出力が求められる筋肉のひとつであり、
強い筋収縮によって、スムーズな蹴り出しと安定した重心移動を支えています。

 

そのため、腓腹筋のトレーニングは歩行の質を高める上で不可欠です。