シューズに踵があたって痛い

シューズに踵があたって痛い。そんなお悩みで来院されました。
シューズには、デザインの流行や、
新しい素材・テクノロジーの進歩に伴って、
形や素材が大きく変わる年があります。
たとえば、最近のサッカースパイクでは、
ヒールカップがプラスチック製になっていることがあります。
デザインはとてもカッコいいのですが──

人の足の骨の形は、ひとりひとり違います。
そのため──
踵に突起があるような選手にとっては、
今年のスパイクは厳しい年になりました。
アキレス腱付着部滑液嚢炎
中学生男子、競技はサッカー。
「シューズに踵があたって痛む」そんなお悩みのご相談でした。

アキレス腱付着部滑液包炎のようなコブがありました。
臨床の現場でも、
ときどき見かけることがありますが、
大人では痛みがないことがほとんどです。
また、
「中学生の頃はシューズに当たって痛かったけど、
いつの間にか気にならなくなっていた」
そんなケースもよくあります。
痛みが強い場合には、
外科的に切除する方法もありますが、
悪性の腫瘍でない限りは、
経過観察になることがほとんどです。

シューズの内側、踵のコブが当たる部分が
すり減って穴があいていました。
シューズをストレッチャーで伸ばす方法もありますが、
今回はプラスチック製のヒールカップが使われていたため、
パッドを作ることにしました。
使用した素材は、
インソールなどにもよく使われている
EVAスポンジです。
保存療法の基本
保存療法が効かない場合、
踵骨大結節の後上部を切除する手術が
選択されることもあります。
ただし、
まずは刺激を減らして経過を観察するのが
良いと思います。
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